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当別院僧徒 教化活動レポート『思いは東北!』~第14章~

第14章 悲しみに寄り添う「神戸心絆」

さて、文中によく出てくる「神戸心絆」についてご紹介します。
1998年から竹灯籠で追悼を行っていた団体の流れを継ぎ、2016年に発足しました。事務所は三木市にあり、代表の杉山さんご夫妻が中心となり、会員の内約10名が常時活動しています。
2012年から東日本大震災で壊滅的な状態となった名取市閖上地区との交流を続けています。
1.17の阪神淡路大震災、3.11の東日本大震災の追悼式や、その他の命を繫ぐ行事などに竹灯籠の提供等を続ける団体です。

淡路島、赤穂市、相生市、佐用町等の県内各地から竹や竹灯籠の提供を受けます。団体自らも切り出し作業を行うこともあります。

事務所敷地において、竹灯籠の長さを揃えたり、割れていないかの最終チェックを行います。

文字はメンバーが書いたり、幼稚園、小学校等に依頼したりもします。
また、絵や文字の書かれた竹灯籠を持ち込んでくださる方もおられます。

2022.1.17前日の風景です。竹灯籠を並べて明日に備えます。当日は早朝より集まり、竹灯籠に水を張り、ろうそくを浮かべます。このろうそくは再生して作ります。

2022.3.11 名取市で竹灯籠を並べています。
手前に献花台、3.11と奥に「わしぇね」の文字型です。
中心奥には慰霊塔を作りました。

2021年6月、「リレーフォーライフジャパン」にも竹灯籠を提供し、その運営にも参加しています。
2022年6月11日、12日にも開催が計画されており、竹灯籠の提供を行います。

神戸市中央区 神戸市役所の南側にある東遊園地には、「1.17 希望の灯」があります。
各地での追悼式には、この希望の灯から分灯された灯を持ち帰ります。
神戸心絆でも追悼式の灯は、ここから分灯した灯を用います。
希望の灯は神戸市が管理しています。

純粋に悲しみを抱えた人に寄り添う、大切なことです。
神戸心絆の活動はいつまでも続いてほしいと願います。 
感謝








奥に白黒のツートンの船が見えます。「はくおう」です。ここは相生港です。
神戸心絆で1.17追悼式を終えて、神戸心絆の協力者の方が慰労会を計画、ご招待に預かりました。そして自船で港内を案内してくださった際の一コマです。

「あの船は、首相の一声で被災地に出かける」とお話をされます。何気なく聞いていましたが、帰宅後にどうしても引っ掛かります。
思い出しました、レポート第2版第11章「見えてきた災害医療」で病院船を取り上げた節に触れています。アメリカのように日本は、病院船をもっていません。東日本大震災時に北海道からの自衛隊車両、隊員の輸送に民間のフェリーをチャーターしました。フェリーは被災地に係留すれば、病院としての運用も可能、かつホスピタリティにも適していることが確認されました。
自前で病院船等を維持管理するには、費用などの問題がクリアできない。
そこで有事にのみチャーターできる仕組みづくりに取り組みました。そしてその船が はくおうなのです。
民間会社 高速マリン・トランスポートが保有、有事にチャーターするほか、平時の訓練にも運用します。その運用・整備には元々の所有者である新日本海フェリーが受託しています。そうです、舞鶴~北海道を就航していたフェリーです。
お色直しで白黒のツートンカラーになりました。
フェリーの長所である車両積載能力が高く、居住性を有している、ぴったりです。かつ、遠距離運行をしていたので航海速力が29.4ノットと破格の高速性を有しています。災害時には自衛隊の野外手術システムを搭載することにより、病院船ともなります。いやなんとも素晴らしいお話ではありませんか。
しかし、問題もあります。有事にチャーターと書きました。有事とは、災害時だけでなく、きな臭い紛争地への派遣を含んでいます。
以前、北朝鮮の弾道ミサイル発射実験に備え、パトリオットミサイルを石垣島に配備すべくの輸送要請に、全日本海員組合が乗組員の安全性のため拒否しました。国は今までの契約の見直しを行い、新たな会社を立ち上げました。これが高速マリン・トランスポートです。現在、はくおうを含めて2隻保有しています。
乗組員問題は、予備自衛官を充当することでの対応となりました。
2020年 ダイヤモンドプリンセス号に端を発した新型コロナウィルス感染症感染拡大防止のために、災害派遣されています。
はくおうを相生港で見られるなんて、奇遇ですね。


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