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平成29年度 本山得度式 執行

梅雨空が続く毎日のなか、晴天に恵まれた平成29年6月11日(日)京都本山御堂において平成29年度 本山得度式が執行されました。
 本年得度を受式したのは、宗学堂初等科専修課程を合格修了した中で発心した12名。当日、関東、関西、九州地方から参集した12名は、朝早く本山に上山し受式の手続きを済ませ、本山の晨朝(朝のお勤め)を参詣いたしました。

 その後、本山堂衆の指示に従い、得度受式の装束である水干(すいかん)に着替え、本山執事長より受式に当たっての最終ガイダンスと習礼が行われ、初めて実戦の仏教儀式に触れる受式者は、この後に行われる得度式にむけて執事長の言葉に耳を傾け、悔いが残らないよう最終習礼に臨んでおりました。

 午前11時、薫香ただよう本山白書院にて稚児盃の儀が執り行われました。厳かな空気の中、師主たる大谷暢順本願寺御法主台下が白書院菊の間に入られると襖が開き、牡丹の間で控える受式者と対面。後見僧より受式者一人ずつ名前を読み上げられ台下に紹介申し上げられました。

 紹介後、掛役が台下の前に盃をお持ちし長柄(柄杓)で酒が注がれ、口にされた盃の残った酒を長柄に戻し、その長柄の酒が受式者一人ひとりに注がれ、後見僧の発声と共に盃を干しました。

 稚児盃の儀に続き、受式者は本堂に移動。宗祖親鸞聖人が御年9歳の折、夜のとばりの下りる中、慈鎮和尚の御剃刀を受けられたとの故事を承けて、本堂の扉が締め切られ、明かりが落とされています。蝋燭のほのかな明かりのもと、一同は三帰依文(さんきえもん)を唱和。

 続いて、御法主台下よりおのおの頭上に三度の御剃刀を受けます。これには「勝他(しょうた)」「利養(りよう)」「名聞(みょうもん)」の「三つの髻(もとどり)」を切り、仏に仕える身となるという意味があるのです。ここで俗世の衣である水干を脱ぎ、僧侶としての衣である黒衣(こくえ)に着替えた受式者は、台下より直々に御薫香いただいた墨袈裟と安靜型(あんじょうがた)念珠を賜りました。

 袈裟を身に頂き念珠を手にして、僧侶としての準備が整った受式者一同は、本山堂衆と共に本堂外陣に初出仕し、御法主台下の御調声の下、僧侶としての初めての勤行を行いました。初出仕、初勤行と、事前に習礼はしていても本番の儀式は緊張のあまり声が出ず、黙読で終わったという受式者もおりました。得度式、初勤行も終わり、本堂では度牒親授式が執り行われました。

 受式者の所属寺である本願寺眞無量院の御住職殿が見守られる中、御法主台下より一人ずつ度牒(どちょう=僧侶となった証書)、衣体許状(えたいきょじょう=装束着用の許可証)、そして法名(仏弟子としての名)を拝受しました。その後、台下より本年度得度受式者にむけ「僧籍を得たこれからも、仏道を大事にかつ、真摯な気持ちで歩んでいただきたい」との宗門僧侶としての期待の御言葉を賜りました。

 それを受けて、本年度受式者の代表である小南賢祐さんより、得度執行の御礼が台下へと申し上げられ、さらに本願寺眞無量院僧徒として、また本山本願寺宗門僧侶として、自信教人信(じしんきょうにんしん)の誠を尽くし、仏祖崇敬(そうきょう)の念を忘れることなく、今後の生涯をかけて御念仏の道を歩み続けることへの厳かな誓いが言上されました。

 最後に受式者一同、「昭和の法難」によって本願寺が消滅した際に、当代御法主台下が本願寺法統を守るため、真宗本廟より移された本山本願寺寺基を参詣し、得度式の日程は終了しました。得度式を終えた受式者一同、800年の伝統あるかくも荘重な儀式のもと、僧侶として迎え入れられたことに感激の思いで胸が一杯になりました。

 本山と共に仏道を歩みつつ、本願念仏の御教えを世に伝えることによって、一人でも多くの人が信心を獲得(ぎゃくとく)されるという御法主台下の悲願にこたえることこそ、宗門を担う僧侶の本分であるとの自覚を新たにしたことでしょう。